「明太子」は、わたしたちの生活に当たり前のようにある食べ物ですよね。
では、なぜ明太子を「明太子」と呼ぶのか考えたことはありますか?
実は、明太子は海を渡ってきた言語だとしたら?
そのおもしろい歴史をすこしみてみましょう。
いつもおいしく食べる明太子の、名前の歴史も味わってみてください。
明太子 語源 由来/めんたいこ・辛子明太子の語源や由来
明太という言葉は、日本では「めんたい」と呼びますが、韓国では「ミョンテ」、中国では「ミンターイ」、ロシア語でも「ミンタイ」と、アジア諸国で非常に似た呼ばれ方をしています。
どの場所が語源でどのように変化したのかは諸説ありますが、ロシアは明太子の原料となる卵巣をもったスケトウダラの産地であり、韓国では明太子のキムチ漬けが国民食であることから、どの地域でもスケトウダラ及び明太子はとてもなじみの深いものです。
日本においては、昭和初期、会津(現在の福島県)に住む樋口伊都羽(ひぐちいづは)という男性がスケトウダラの卵巣を唐辛子で味付けして韓国で商売をしたのをきっかけに、現在の明太子が浸透していった歴史があります。
戦後には韓国で味わった唐辛子味の明太子を知った川原俊夫という男性が、さらに味付けの改良を重ね現在の“辛子明太子”を生み出しました。
現在では明太子の発祥の地については山口県だったり博多だったりといくつかの説がありますが、人の動きとともに各地で明太子が知られることになったことがわかります。
今ではおなじみの辛子明太子が、海を越えて発展した食べ物だったとは興味深いですね。
明太子 語源 由来/明太子の語源は韓国?
明太子の語源について、現在日本では「韓国由来説」がよく知られていると思います。
というのも、韓国ではスケトウダラはとてもメジャーな食べ物で、明太子はもちろんその魚自体も鍋や干物などバラエティに富んだ食べ方があります。
日本の辛子明太子にあたる食べ物は韓国でもあり、「明卵漬(ミョンランジョ)」としてキムチのように親しまれています。
朝鮮半島では1800年代からスケトウダラの卵巣を塩漬けした、いわゆる「たらこ」のようなものがすでに食されていたとされ、その歴史は日本よりも長いようです。
現在食べられる明卵漬は日本よりも唐辛子とニンニクが効いた濃い味の明太子です。
明太子 語源 由来/明太子の呼び名は誰が付けた?
では、そもそも“明太”という名前はだれがつけたのでしょうか。
朝鮮王朝時代末期に書かれた書物によると、由来は明太を釣り上げた明川郡の「太」さんからくるものと書かれています。
“明太子”については、その明太の子供(卵)のため明太子とよばれますが、これは日本での名前で、韓国では明太子のことは「明卵(ミョンラン)」と呼びます。
明太子 語源 由来/まとめ
いかがでしたか?
明太子の語源、そして歴史は意外にも数か国にわたり深いものでした。
今日の日本であたりまえに食べられている明太子が、海を越えた国に住む人たちから影響をうけたものであったとは。
そして、同じように今でも明太子を楽しんでいる。そのことを思い浮かべるだけで、なんだか人類のつながりを感じますね。
毎日の食卓から、明太子を通して世界を感じ、おいしい幸せをかみしめてみてはいかがでしょうか。